こんにちは、これすけです。
今回はこちらについてまとめてみたいと思います。
労働から抜け出し、経済的自由を手に入れたい。
社会人の方は一度は考えたことがあるかと思います。
私はいつも考えています。
今回のタイトルは「資本主義のバグ領域について」としていますが、資本主義のメカニズムを考えつつ、労働からの解放を目指す方法に焦点をあててみます。
資本主義のバグ領域について
FIREから見る労働からの解放
労働から解放されることは多くの方が望むところだと思います。
では、労働からの解放とはどういう状態でしょうか。
私は、労働から完全に抜け出すというよりは、好きなことを、好きなタイミングで働けたら思っています。
要は、強制的に労働をしているのではく、「いつでも労働から解放される、あるいは、労働をする」生活を自ら選択できる状態になります。
労働をするか、しないか、自由ってことです。
最近のホットテーマであるFIREの分類で言うと、Coast Fireに該当します。
FIREの4つの分類
- Fat FIRE:資産運用の運用益のみで高い水準で生活
- Lean FIRE:資産運用の運用益のみだが、質素倹約する生活
- Coast FIRE:資産運用の運用益で生活しつつ、働かなくても良いが、好きな仕事をする生活
- Barista FIRE:資産運用の運用益と労働収入の2つで生活
Fat FIREはよほど事業か投資に成功しないと難しいと思いますし、Lean FIREも私のライフスタイルを考えると可能かもしれませんが、少し生活に彩がないと感じます。
Barista FIREは労働をするかしないかの選択ができていないことを考えると、Coast FIREが一番理想的なFIREだと感じます。
さて、これらの分類を見ていただくと分かるかと思いますが、いずれのFIREも「資産運用の運用益」という前提があります。
そして実際、この資産運用こそが、我々を労働から解放させる唯一といっても良い手段になります。
ここで、資産運用をするためには、一定額の資産を保有する必要があります。
しかし、我々が生きる資本主義では、資産運用を妨げ(=お金を使わせる)、労働者を労働者のままにさせようとする仕組みがあります。
それが資本主義ってもんです。
まずはそこに気付くことが、労働から解放されるための第一歩です。
資本主義システムの「労働回帰」
労働から抜け出せない仕組
ニーチェは著「ツァラトゥストラ」にて、「永遠回帰」という思想のもと、我々は今ある人生を永遠に繰り返していると仮説立てました。
この無限ループからは逃れられない。
だからこそ、自分の運命を受け入れ、肯定する態度こそが、自分の人生を豊かにする方法だと言います。
永遠回帰の思想は私も取り入れており、ミニマルライフでご機嫌に生活する上でのベースです。
…。話が逸脱しました。
資本主義において、労働者を労働者のままでいさせようとする仕組みは、まさに「労働回帰」と言えます。
この「労働回帰」はやっかいで、なかなか抜け出せません。(永遠回帰と違い、抜け出せます。)
というのも、抜け出させないように資本主義の中心である企業は、マーケティングなどありとあらゆる手段を駆使して、我々にお金を使わせようとします。
その企業を構成するのが労働者であるのがなんとも皮肉ですが(笑)抜け駆けは許さないってことでしょうか。
さて、資本主義は基本的に労働者を生み出し、その労働者を栄養源として拡大、成長しています。
労働回帰(*イメージです。)
- 生活するにはお金が必要
- 労働者を生産
- 労働者を取りまとめる企業から対価を支払われる
- 生活のためにお金を消費させる(CM、広告などでアピール)
- お金が企業に入り、企業が成長。新しい商品・サービスを生み出す
- 生活水準が上がる
- (その生活水準で)生活するにはお金が必要 …繰り返し
この労働回帰に気付いたとき、資本主義の養分たる労働者「ではない」側にいかに早く到達するかについて、思考が切り替わるはずです。
労働から解放された者たち
労働回帰に気付き、脱出できた後は何者になるのか?
労働者「ではない」側は、資本家です。
資本主義は労働者か資本家で成り立ち、資本家は自分の資本(資産)をもとに、事業を興したり、投資をしたり、いずれも資産を拡大させていきます。
ここで、資本主義が労働者と資本家で構成されているということは、我々がゴールにしている「労働からの解放」は、「資本家になる」ことと同義です。
我々は、労働回帰の存在に気付き、労働からの解放され、資本家になることがゴールだと理解しました。
では、どのように思考し、行動していけばいいのでしょうか?
労働回帰から解放されるには
FIREは資産運用で生活することであるように、資本家が資本を武器に自由を手に入れているように、資産がなければ何も始まりません。
資産を十分に貯めることで、労働から解放される
資産が「十分」なければならないことは、後程まとめますが、取り急ぎ1円でも資産を増やすことから始まります。
すると、増やし方は2つあります。
- 労働によってお金を得る
- 資産を運用することによってお金を増やす
2は1があってこそなので、まずは労働からお金(資産)を増やしていくことになりますが、やみくもに労働をしていては、「労働回帰」から抜け出せません。
お金と労働がどのような関係になっているかを把握しておきます。
ピケティの「21世紀の資本」という本が2015年頃に話題となりましたが、そこで示されたことは、
r > g
資本収益率(投資の運用収益) > 経済成長率(労働による収入)
※ r:return、g:growth
なんのこっちゃ。
- 資本への投資によって得られる利益成長は、労働によって得られる賃金上昇を常に上回る
- 資本をもつ者ともたない者の格差が拡大する
もう少しかみ砕くと、
1は、自分で働くより、お金に働いてもらった方が稼ぎまっせといった感じでしょうか。
2は、文字通りです。
ということは、なんとなく労働をして、労働回帰から抜け出せない人と、労働をしつつお金をいかに貯めるかを考え、貯めたお金を投資に回せる人とでは、圧倒的に差がつくということです。
当然、資産を早い段階で築けた者から労働から解放されていくことになります。
また、資産の形成が速い段階でできた人と、そうではない人の差はどんどん拡大し、資産形成ができない人は労働回帰サイクルに閉じ込められることになります。
資産形成が労働回帰から抜け出す第一歩であり、労働よりもお金に働いてもらった方が良いことが分かりました。では、うまく資産形成が進み、労働回帰から脱出した後の世界はどうなるのでしょうか?
資本主義のバグ領域について
ようこそ。
労働回帰から脱出したあなたは、資本主義ゲームの境界線を突破しました。
お金を使っても減らない(=労働回帰からの解放)
資産が少ない段階ではブラックホールのごとく回帰性を発揮しますが、資産一定額手に入れると労働回帰に戻ることはほとんどなくなります。保有資産の量や市場の状態によっては、戻れないことさえもあります。
どういうことか。
お金を使っても、減っていかないフェーズが来る。
労働するどころか、お金を使っても減らない領域。
これが、この記事のタイトルでもある「資本主義のバグ領域」です。
そもそも、資本主義が労働者をエネルギー源としていながら、どんな人でも資本主義の仕組みに気付けば、労働から抜け出せるように設計されていること自体が資本主義システムの欠陥?なような気もしますが…。
さて、粗々ではありますが、お金を使っても減らない状態を考えてみます。
どの成長率を採用するかは検討の余地がありそうですが、例えば新NISAの投資対象としてもトップの人気であるオルカンの過去5年の平均利回りは約16%です。
なので、仮に16%よりも低い、10%の利率として採用した場合、
- 資産3,000万円を投資していれば、年間300万円となります。
- 資産5,000万円を投資していれば、年間500万円となります。
年間の生活費が200万円の人からすると、無理をして使わない限り、お金は増え続けることになります。
十分な資産があれば、運用益で支出以上のを生み出せる
私はFIREに向けて準備中の身ですが、日々、資産が数万円単位で増えるフェーズにあります。(勿論、減ることもあります。)
すると、なんかバグってきてんな~、と変な感覚を覚えます。
必要なものにお金を使っている日も、収入が入ってこない日も資産が増えていく…。
バグってます。
さて、バグ領域の基準ですが、最初のラインは3,000万円、5,000万円以上はほぼ確実にバグっていると思います。
どこを明確な基準にするかは、各自の生活環境に依存するため、一概には言えないのですが、野村総合研究所が出している資産クラスターを基準にしてみましょう。
同社が出しているプレスリリースでは、金融資産に応じて下記のような階層を定義しています。
野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計
図:純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数
野村総合研究所の資産クラスターで言えば、「準富裕層」からがバグ領域に該当してくると思います。
なにせ、富裕層って名前がついていますし。
バグ領域ではお金を使っても減らないのですが、それは運用益が支出を上回るからでした。
それ以外にも、資産自体が増殖するというボーナスがセットされています。
お金が自ら増殖していく
お金はお金が好き。お金はお金持ちの人に集まる。なんて言われていますが、実際そうなる仕組があるからです。
資産が十分にある場合、時間を味方につけることでさらに資産を増殖できることです。
そうです。「複利」です。
アインシュタインも「複利とは、人類の偉大なる発明である」と言ったそうです。
勿論、複利は元手が多いほど有利です。
バグ領域に入った人は、お金を使っても減らないくらいに資産があるわけなので、複利の力もあり、より資産を増やしていくことになり、もっとバグってきます。
- 複利で時間経過とともに資産を増加させる
- 元手が多いほど、複利の力は増大する
バグ領域では、十分な資産が生む運用益で生活費を補うことができるだけではなく、さらに複利の力で資産自体をも増やすという、もうなんかよく分からないボーナスが付いているのです。
ちなみにですが、複利を活用して資産が2倍になるまでの年数を計算する式があります。
複利によって資産が倍になるまでの年数
- 一括投資した場合 :72÷金利(%)
- 積立投資をした場合:126÷金利(%)
また、自分の資産をシミュレーションしたくなることもあると思います。
金融庁が出しているものよりも、アセットマネジメントOne社の資産シミュレーションの方が初期投資額も設定でき、使い勝手が良いと思います。
まとめます。
資本主義のバグ領域
- 【使っても減らない】資産の運用益>生活費となる
- 【資産の自己増殖】複利の力で、資産が時間経過とともに増加する
バグ領域に到達すると、労働回帰から解放され、自由となる。
バグ領域に入ることこそが、労働回帰からの解放であり、経済的自由(FIRE)の達成と言えます。
改めて、資本主義がある意味うまくできているなぁと感じますね。
昔のゲームはバグが多く、チート発動が強者みたいなところがありました。
勿論、ゲームの世界でバグを使うと批判対象になったり、友達がいなくなったりしますが、この資本主義のバグはある意味公認のバグみたいな感じですし、やったところで誰にも批判されないところがいいですね。
資本主義のバグ領域に最短で到達する
バグ領域までのステップ
これまでの話から、資本主義のバグ領域にいかに早く到達できるかが我々のテーマになってきます。
では、そのためにどうすべきか?
資本主義のバグ領域までのステップ
- 資産を早い段階で十分(仮に5,000万円以上)確保する
- 資産運用からの利益額が支出額を上回るようにする
- 余った資産を再度投資に回すことで、より投資運用額を増やし、利益を増やす
のステップを踏めば良いことになります。
ここで大事なのはファーストステップです。
資産を早く十分に確保するためには、初期の労働段階では、
- 収入を増やす
- 支出を減らす
の2つしかありません。
①の収入を増やすは転職活動、副業などで増加を狙いますが、意外と時間もかかります。
②の支出を減らすは、今すぐ可能です。
②をメインで進めつつ、①の収入を増やすことを着実に進めるのが合理的だと思います。
では、支出を抑えるためにどうすべきかになりますが、このブログで提案しているミニマルライフが最適だと考えています。
ミニマルライフは決してお金だけど生み出すことをゴールにしておらず、より充実した生活を目指すスタンスです。一石二鳥なのです。
ミニマルライフで支出を抑え、バグ領域への水準を下げる。
バグ領域の基準として5,000万円を仮で設定していますが、生活水準を下げ(勿論、充実していることが前提)ることで、バグ領域基準を個人でチューニングできます。
これは最短でバグ領域に達するためにも大切な考えです。
- 収入を増やしてバグ領域に達する
- 支出を減らして、バグ領域基準を下げる
を考えた場合、後者の方がラクなのは予想がつくと思います。
例えば、先ほどと同様の利回り10%と仮定した場合のバグ領域の基準は、
- 生活費が500万円の人は、5,000万円の資産が必要 →バグ領域は5,000万円以上
- 生活費が200万円の人は、2,000万円の資産が必要 →バグ領域は2,000万円以上
となります。
どちらの達成難易度が高いかは明白です。
もし、収入の増加だけで5,000万円のバグ領域に到達しようと思ったら、収入も増やしたり、投資によって資産を増加させるのに時間がかかったりと、非効率です。
支出を抑えることで、自身のバグ領域水準を下げられる
支出を抑えるには、まずは支出の把握が必要になります。そのためのステップとして、倹約家への3ステップという記事もまとめていますので、ご参考になればと思います。
今回は、資本主義というシステムに目を向け、バグ領域へ到達することについて整理してみました。
やることはシンプルです。
支出を抑え、資産を貯め、資産からの運用益で生活できるようにする。
そして、支出を抑えるために、何度もお伝えしている通り、ミニマルライフを提案したいと思います。
一緒に頑張っていきましょう!
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